経営指針物語 10

"第10話 戦略を組む=タダモノ"

横木 正幸

 

 現状で売上・利益を伸ばすには、付加価値+差別化が一番であるという事は、分かった。次の思考は、多面・多角化思考であるという。同じ商品を同じ市場で売っていたのでは成長はありえない。市場を広げていく事を多面化という。そうだ!これが営業の原点なのだ!
 しかし、同じ商品では市場は飽和状態になっている。だから付加価値商品・差別化商品が必要なのだ。更に関連した別の商品も開発しなければならない。これが多角化なんだと分かってくる。だけど、これは簡単なことではない。我々クラスの社会で、製品・商品・技術の開発部門を持っているのは極まれなことである。日々の戦いに明け暮れてそんな余裕のないのが現状だ。
 どうすればいいのか?ここは発想の転換が必要だ。ハードな部分でダメなら、ソフトな部分で差別化できないか…。ヒントは「タダモノ」という言葉だった。お金のかからないものをタダモノという。そうか!タダのものでお客様に訴えるものを探せばいいのだ。考えれば、いくつも出てくる。まず第一は、電話の対応も含めた「挨拶」だ。元気よく・明るく・大きな声で挨拶をされれば、誰もが元気がいい。挨拶・笑顔、清掃・誠意・真心・努力・勇気・愛情・正義感…いくつでもある。

 と書き表される。とすれば、同じ価格で価値を高めるためには、品質を高めればいいということになる。では、品質とは何だ?品質には商品・技術・サービスと共に経営者・社員の資質も含まれるという。お金のかからないタダモノという付加価値で、お客様の価値観・満足感を高めることが出来るのだ。
 そういった点で廻りを見れば、素晴らしい会社はいくらでもある。マネをすればいいのだ。二匹目のドジョウは必ずいる。!
 まず、社内の整備が最優先だ。当たり前のことを当たり前にやれる社内体制を整えることだ。このことを社風文化というとのこと。そうすればおのずと営業範囲は広がり、多面化は進んでいくことになる。多面多角の大活躍というのは難しいんだなぁ。



続く



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