経営指針物語 13
"第13話 問題が問題だ"
横木 正幸
あれこれ考えていろいろ勉強を続けてくると、問題だらけの会社だと、いやおうなしに思わざるをえなくなる。よくまあこれで経営をやってきたものだと思う。「原理・原則」さえ知らないで、ただ「頑張るゾ、頑張るゾ!」だけでやってこれたものだ。
しかし、こんな問題を抱えているのは我が社だけだろうか。あまりの不安に周囲を見まわす。どうもそうではなさそうだ。こんな勉強さえしていない経営者が山ほどまわりにいる。彼らのところには問題はないのだろうか。そんなはずはない。問題を問題としてとらえていないのではなかろうか。
例えば、社員が「給料が安いから上げてくれ」と言っても、経営者が「うちの会社はこんなもんだよ。それは無理だ。」と取り上げなければ、社員にとっての大問題が問題でなくなってしまう。また、経営者が「最近の売上が落ちている。こんなことでは大変なことになる。これは大問題だ。」と言っても、社員が「景気が悪いし、別に手を抜いているのではない。仕方ないことだ。」と受け取れば、問題が問題でなくなってしまう。
と刷ると、何が問題で何が問題でないのか?経営者と社員が「現状の認識を一致」させなければ、問題が問題として取り上げられなくなってしまうるつまり、問題を解決しようと言う糸口さえつかむことが出来ないということになる。これではいつまでたっても給料は上がらないし、売上を上げることも出来ない。
問題を問題としてとらえて、はじめて解決の方法を考えるのであって、問題がなければ、何も考えなくてもいいということになる。
しかしまた、問題にしなくてもいいことを「問題だ」と取り上げれば、問題でないことが問題になってしまう。
つまり会社のレベルによって問題が決まるということになる。問題を問題として取り上げられる会社にすることがまず第一だ。
続く
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